
ここで、税額控除と呼ばれる税金から、住宅ローン控除などの特別に差し引けるものがあればこれを差し引きますが、このようなものがない場合は、基本的にはこの合計税額が、あなたの1年間に得た所得に対する所得税となります。
サラリーマンなどは源泉分離課税によって給料などから天引きされますが、個人農業を営んでいる場合や、個人で不動産を売却したときなどにも所得税がかかり、所得の種類によって課税の方法が変わってきますが、納める税金の計算手順をおおまかに述べると図23のようになります。
このように、特定の所得や収入については「源泉分離課税」や「(申告)分離課税」という方法で所得税が課税されますが、所得税の原則的な課税方法はあくまでも「総合課税」です。
総合課税による場合、その各種所得を合計するところから、所得の種類が二種類以上あって、その中に赤字の所得が含まれているときには、その「赤字の所得」を他の「黒字の所得」と相殺(通算)するという手続きが必要となってきます。これを税務では損益通算と呼んでいます。
また損益通算後の黒字の所得、いわゆる「総所得」からは、基礎控除や配偶者控除、障害者控除や老齢者控除などの「所得控除」と呼ばれるものを差し引くことができますので、これを差し引いて課税総所得を計算し、これに累進税率を適用して総合課税の所得税が算出されるというのが基本的な課税のシステムです。
図23 所得税の課税システム

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